HBR Article:ビジネススキル「リーダーの本質は、肩書きではなく「事実」に宿る」

 本稿では、「レガシー(Legacy)=本人がいなくなった後も残る功績」が肩書きや名声ではなく日々の振る舞いや価値観の一貫性にこそ表れるという視点からリーダーが意図的に自らのレガシーを築くための方法を紹介している。

真のレガシーとは、「今、何を大切にしてどう行動するか」によって築かれていくものである。毎日の小さな行動が未来にどんな「事実」として残っていくのか、それを意識することが影響力あるリーダーとしての第一歩である。

レガシーとは何か

筆者は父親の「事実だけでよい」という言葉から、レガシーは静かで誠実な行動の積み重ねによって残されるものであると理解するようになった。これはシニアリーダーにとって、行動や接し方が他者に与える影響の大きさを再認識するリマインダーでもある。

レガシーを形づくるための3ステップ

1. 自己認識の深化

  • 自分が「どう記憶されたいか」を書き出すことで、抽象的な理想を具体化する。
  • 以下の問いを通じて内省を深める:
    •  他人は自分をどう表現するか?
    •  日常の言動から、どんな価値観がにじみ出ているか?
    •  仕事を通じて、相手にどんな感情を残したいか?

2. 他者からのフィードバックを得る

  • 自分の影響について、信頼できる同僚から率直なフィードバックをもらう。
  • 例:
    •  「私の仕事ぶりを表す言葉を2〜3個挙げてください」
    •  「私の態度やふるまいで、気づいていないことを教えてください」
  • 自己認識と他者の認識との差異に気づくことで成長の糸口を見出す。

3. 意図的な行動の調整

  • フィードバックから浮かび上がったギャップを埋めるよう日々の言動を調整する。
  • たとえば:
    •  サポート型のリーダーでありたいなら、部下の努力や成長に関心を示す。
    •  落ち着いた存在でありたいなら、プレッシャーの中でも余裕を見せる振る舞いを心がける。
  • ポイントは「劇的な変化」ではなく、小さく一貫した改善を積み重ねること。

静かな影響力の力

筆者の父のように自らを語らずとも、事実=日々の行動そのものが人の心に残る。レガシーは言葉よりも態度に表れ、信頼や尊敬はその日常の選択から生まれる。

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