多忙な職場では、メンバーの状況や感情に「気づく」ことが後回しにされがちだが、それこそが信頼関係やエンゲージメントの根幹を支える要素である。Gallupなどの調査でも従業員の多くが「見てもらえていない」「無視されている」と感じており、職場への愛着や意欲の低下が深刻な問題となっている。
良いリーダーシップは質の高い人間関係に基づいており、その出発点は日々の“気づき”にある。メンバーとの接点のなかで相手を理解しようとする姿勢こそが信頼とエンゲージメントを育てる。リーダーは「気づく力」を意識的に鍛え、日々の対話のなかでそれを発揮することが求められている。
「気づく」スキルを高める3つの方法
- 気づきを妨げる要因を知る
多忙さや集中力の低下が「気づき」を妨げる。自動運転のような状態ではメンバーの変化に気づけないため、「意図を明確化」して注意を払う姿勢を意識的に持つことが重要。 - 余裕をつくり、質の高いコミュニケーションに時間を投じる
単なる情報交換ではなく、リアルタイムでの感情や状況への共感が大切。たとえば会議前後の“狭間の時間”や、メモによる観察記録の活用が有効。 - 相手の情報を深く収集し、状況に応じた対応をする
「調子はどうですか」ではなく、「今日は何に意識を向けていますか」「エネルギーを奪っているものは?」など、具体的で意味のある問いかけを行う。また、問題の兆候を早期に察知し、先回りして気遣う「積極的な思いやり」を実践することが望ましい。
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“Great Leaders Make People Feel Noticed,” HBR.org, May 29, 2025.