この論文は、多忙なビジネスパーソンが充実した人生を送るためには「達成感」「意味」「喜び」の3本柱が不可欠であり、特に後回しにされがちな「喜び」を意識的に取り入れることが重要であると説いている。
自由時間を増やすより、既にある時間の質を高めることが重要である。わずか1〜2時間の「喜び時間」改善でも人生全体・幸福度・仕事の成果に大きな影響を与える。
研究背景
- ハーバード・ビジネス・スクールのレスリー・パーロウ教授らは、卒業生1500人を対象に「ライフマトリックス」ツールを用い調査。
- 週の自由裁量時間は平均26時間あるが、そのうち喜びを感じられるのは約10時間に過ぎない。
- 喜びを意識的に増やすことは、仕事のパフォーマンス向上・生産性アップ・思慮深いマネジメントにつながる好循環を生む。
喜びの定義
- 「幸福」ではなく、その瞬間に感じるポジティブな感情。
- 達成感や意味と並び、人生のあらゆる段階で必要。
主な発見
- 自由時間の使い方を改善すれば、時間を増やさずとも喜びは増やせる。
- 喜びは主に仕事以外の自由時間で得られるが、現状は価値を生まない活動(受動的なSNSやテレビ視聴など)に費やされがち。
喜びを最大化する5つの戦略
- 他人と一緒に活動する
一人よりも他人と行動したほうが満足度が高い。テレビ視聴も共有すると効果が逆転。 - 受動的ではなく能動的に過ごす
受動的娯楽よりも、身体的・精神的に関わる活動が好影響。 - 他人ではなく自分が喜びを感じることを選ぶ
他者の期待ではなく、自分にとって本当に楽しい活動を優先。 - 活動を多様化する
同じ活動はやがて義務化し喜びが減少するため、バリエーションが必要。 - 自由時間を守る
家事や雑務に奪われないよう、意識的に喜びのための時間を確保。
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“Finding Joy When You Have Limited Free Time,” HBR.org, July 22, 2025.