この論文は、ロゴの色は単なる装飾ではなく、背景色やデザイン文脈によって大きく印象が変わる戦略的要素であることを実証研究に基づき明らかにしている。
カラーシンボリズム(色彩の象徴性)は出発点として有用だが、背景色や文脈を考慮しなければ誤ったメッセージにつながる。また文脈を踏まえた色戦略は、ブランドの明確さ・目立ちやすさ・顧客とのつながりを強化する競争優位要因になりうる。
- 色はポジティブ・ネガティブ両面を持つ
- 例:青=信頼・落ち着きだけでなく、悲しみや恐怖も想起
- 緑=成長・健康だけでなく、毒性や不気味さも想起
- カラーガイドはポジティブな側面に偏りがちで、実際の印象を過小評価してしまう恐れがある。
- 背景色の影響は大きい
- 白背景:信頼・活気・楽観などのポジティブ印象を促進
- 黒背景:攻撃性・危険・不気味さなどのネガティブ印象を促進
- 有名ブランドでも背景色による印象変化は避けられない。
- 影響の強さはロゴの種類によって異なる
- 抽象的ロゴ(意味が直接わからないもの):背景色の影響が大きい
- 具象的ロゴ(果物や動物、明確な単語など):背景色の影響は小さい
- フレーム付きロゴ:外部背景色の影響を軽減できる
- 戦略的活用のポイント
- ポジティブ印象を与えたい:白背景
- ネガティブや尖った印象を狙う:黒背景
- ブランドガイドラインで背景色の使い分けを明確化
- 環境に左右されないために、必要に応じてフィルドフレームを採用
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“Do You Know What Signals Your Logo’s Colors Are Sending?” HBR.org, June 16, 2025.