HBR Article:意思決定「増えすぎたプロジェクトを減らし、成果を最大化する7つの原則」

 多くの組織は過剰な数のプロジェクトを抱え、リソースが分散しスピードや戦略的焦点を失っている。本稿は、「プロジェクトを中止すること」こそが優れたリーダーシップの証であるとし、真に価値ある施策に集中するための7つの原則を提示している。組織が「始める力」だけでなく「終わらせる力」を持つことで、真に価値のある変革を実現できる。

背景と問題点

  • 多くの組織では、プロジェクトの数が社員数を上回るほど乱立している。
  • 人は新規プロジェクトの立ち上げを「進展」と錯覚し、終了を「失敗」と感じる傾向がある。
  • その結果、非効率な「ゾンビ・プロジェクト(価値を生まないのに継続している案件)」が残存し、変革の遅れと疲弊を招いている。
  • 調査によれば、定期的にプロジェクトを見直している組織はわずか8%にとどまり、多くが停止判断を避けている。

重要な洞察

  • プロジェクト削減はリスクではなく成長の機会である。
  • 不要なプロジェクトを止めることで、資金・人材・時間を集中投下でき、成果・士気・目的意識が向上する。
  • 多くの組織は、今すぐにでも50〜70%のプロジェクトを削減しても悪影響はない。

プロジェクトを減らすための7つの原則

  1. 継続を「自動」ではなく「意識的な選択」とする
    • 「このプロジェクトを今も推奨できるか」と問う仕組みを導入し、将来価値に基づいた判断を促す。
  2. 真のトレードオフを生み出す
    • 新規プロジェクトを始めるには既存プロジェクトを1つ終了させるという「取引ルール」を設定し、選択と集中を促す。
  3. あらゆるアイデアをすぐにプロジェクト化しない
    • 試行チームを設け、30〜60日で小規模検証を実施。約4割のアイデアがこの段階で破棄される。
  4. 3〜6か月ごとのサイクルでプロジェクトを区切る
    • 継続可否を定期的に判断することで惰性やサンクコストの罠を防ぐ。
  5. 終わらせるリーダーを評価する
    • 「終了によって生まれたリソース再配分」をKPI化し、停止をキャリア上の成果として認める。
  6. 弱いプロジェクトを早期に見抜く
    • スポンサー出席率低下、再スケジュール多発、関係者離脱などの「早期警告サイン」を設け、客観的に中止判断を行う。
  7. リソースを最も戦略的なプロジェクトへ再配置する
    • 打ち切りを終わりではなく、価値の再投資と位置づける。

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