HBR Article:リーダーシップ「変革を成功に導くリーダーが備えておくべき5つの要素」

 変革を推進するリーダーは、「積極性(推し進める力)」と「躊躇(リスクへの不安)」の間で常に揺れ動く。この緊張状態自体は健全だが、どちらかに傾きすぎると疲弊・孤立・判断力低下など深刻なダメージを受け、変革そのものも脱線してしまう。本稿では、変革リーダーが向き合うべき5つの要素を示し、それぞれでバランスを保つ方法を解説している。

成功する変革リーダーは、積極性と躊躇の揺れを自然な現象として受け入れる。5つの要素で日々バランスを調整し、状況に応じて姿勢を微修正する。完全に整った状態を目指す必要はなく重要なのは「傾き続けない」こと としている。

1. 変革リーダーが背負う「感情労働」

  • 変革を推進する過程でリーダーは強い反発や抵抗に晒される。
  • 強いビジョンと不安の間でゆれ動き、精神的負荷が蓄積しやすい。
  • 「積極性」と「躊躇」の葛藤は自然だが、放置すると疲弊や孤立につながる。

2. バランスを取るべき5つの要素

① 声(未来を語り、対話を呼び起こす力)

バランスが良い状態:鮮明な未来像を語りつつ、異論や対話も引き出せている。

積極性が強すぎる兆候:反論にいら立つ、議論で勝つことが目的化、声が強圧的になる。

躊躇が強すぎる兆候:沈黙や発信不足、ビジョンの主張を避ける。

② アイデア(可能性を探り、方向性を描く力)

バランスが良い状態:「アイデアの駐車場」を持ち、必要なタイミングで活用できる。

積極性が強すぎると:次々に新アイデアへ飛びつき、チームを混乱・疲弊させる。

躊躇が強すぎると:有望なアイデアを早々に捨てる、自己検閲が生じる。

③ 情熱(大義の共有による推進力)

バランスが良い状態:リーダーが一方的に押しつけるのではなく、メンバー自身が大義を語れる状態。

積極性が強すぎると:過剰な熱量がプレッシャーになり、メンバーが距離を置く。

躊躇が強すぎると:チームの士気を引き上げる燃料を失い、変革の推進力が弱まる。

④ 関係性(信頼・連携・政治的資本)

  • 人間関係や政治的支援の構築が鍵。
  • 積極性が過剰だと敵を作りやすく、躊躇が強すぎると支援基盤が弱くなる。

⑤ 自分自身の管理(スタミナ・自信・ウェルビーイング)

  • 疲労・不安の兆候を早期に察知しケアする力が重要。
  • バランスが崩れると判断力が落ち、変革自体が危うくなる。

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