HBR Article:リーダーシップ「混乱を引き起こすCEOから組織を守るための5つの戦略」

 CEOのリーダーシップが機能不全に陥ると、人材流出、イノベーション停滞、心理的安全性の喪失といった深刻な問題が組織全体に波及する。しかし多くの場合、業績が好調である間は取締役会が問題を見過ごしがちで、現場のシニアリーダーは難しい立場に置かれる。

「CEO自身を変えることはできないが、自分の行動と関わり方を変えることで、チームを守り、パフォーマンスを維持することは可能だ」と筆者は述べ、実際のエグゼクティブ支援経験をもとに5つの実践的戦略を提示している。

CEOのスタイルに問題があっても、「関わり方を工夫する」「外部要素を活用する」「同僚と連携する」「チームを守る」というアプローチを取ることで、シニアリーダーは混乱の中でも組織を前向きに導ける。

当論文は、CEOの欠点に直面したリーダーが “無力ではない” ことを強調し、現実的かつ実践的な方法でパフォーマンスと組織の健全性を維持する道筋を提示している。


1. CEOの優先事項に合わせて関係を再構築する

上司に迎合するのではなく、CEOが何を最も重視しているかを理解し、その「レンズ」を通して助言を行う。
専門的フレーム(SCR:状況・複雑化・解決策)を用い、CEOの優先課題に直結する形で提案することで、「反対者」ではなく「信頼できる助言者」として認識されるようになる。


2. コミュニケーションと役割の明確な合意をつくる

即断型・気分で方針が変わるタイプのCEOには、
「誰が何を決め、誰が実行し、誰がいつ情報を受け取るか」の明確化が効果的。

リーダー同士で足並みを揃えたうえでCEOと共有することで、
判断のやり直し、方針転換、混乱の発生を抑え、意思決定のスピードと安定性を高められる。


3. 外部の声を戦略的に活用する

CEOは社内の異論には耳を貸さなくても、顧客の声・投資家の意見・取締役の指摘は無視しにくい。

その特性を利用し、アレックス(CTOの事例)は、CEOに助言する際に顧客の生の声や投資家の期待を添えるようにした。これにより、組織内で伝えにくい懸念も、より受け入れられやすくなる。


4. 同僚との連携で「守りのネットワーク」を形成する

CEOの振る舞いが不安定でも、シニアリーダー同士の連携・共通方針の確立・情報共有によって、組織は混乱に巻き込まれにくくなる。

互いにサポートし合い、CEOからの影響を最小限に抑える“クッション”をつくることで、チームの心理的安全性と生産性を守ることができる。


5. チームを守り、自律性と心理的安全性を高める

最後に、シニアリーダー自身が、自分のチームのストレスを軽減し、透明性・一貫性を確保することが極めて重要とされる。

CEOの不安定な振る舞いがあっても、
・情報を整理して伝える
・優先事項を明確にする
・チームの判断を支える
・過度な干渉をフィルタリングする
といった行動により、チームは安定して成果を出し続けられる。

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