組織変革を任されたリーダーは、正式な権限を持たないまま成果を求められることが多く、経営層の「後ろ盾」が成否を左右する場合がある。ただし、支援の要請は諸刃の剣であり、早すぎれば依存的、遅すぎれば手遅れになる。重要なのは感情ではなく戦略として援護を位置づけることだ。
まず、援護を求める前に自らの動機と恐れを点検する。本当に必要なのか、それとも不安や不快感から来るものなのかを見極め、小さな行動で検証することが有効である。次に、①支援がない場合のリスクの大きさ、②主要ステークホルダーとの信頼関係、③自力では越えられない構造的・政治的障壁、という3点から状況を評価し、援護の必要性を判断する。
援護を求める場合は、まず自力で進めた実績と現実的な壁を示したうえで、適切なタイミングで要請することが重要だ。上司は現場の困難を必ずしも理解していないため、事前に状況を共有し「予告」しておくことも有効である。要請時には、支援が組織や上司の目標達成にどう貢献するかを軸にフレーミングし、具体的で実行しやすい支援内容を提示する。
一方、援護が得られない場合でも、変革は不可能ではない。横の信頼関係を強化し、小さな成果を積み重ねて信用を獲得することが鍵となる。同時に、スコープやペース、アプローチを現実的に見直し、無理に推し進めて関係を損なうことは避けるべきである。
優れたリーダーとは、援護を求めるべき時を見極め、必要な支援を戦略的に引き出し、たとえ後ろ盾がなくとも信頼と信用を積み上げながら前進し続ける存在である。
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“How to Ask for Executive Support – Without Undermining Yourself,” HBR.org, October 27, 2025.