HBR Article:キャリア「仕事と私生活の困難が重なった時、リーダーはどう対処すべきか」

 私生活と仕事の危機が同時に重なる状況は、リーダーにとって決して例外的なものではない。このような局面で多くのリーダーは、「もっと頑張らなければ」と過剰に抱え込み、短期的に踏ん張ろうとする。しかしそれは長期的にはパフォーマンスや健康、組織の安定を損なう。真のレジリエンスとは、無理に強さを装うことではなく、現実を受け入れ、回復を意図的に設計し、支援を戦略的に活用し、組織の仕組みに安定性を組み込むことである。

筆者らは、私生活と仕事の課題が重なる中でも成果を維持するための4つの戦略を提示している。

1. 現実を受け入れる

リーダーは仕事と私生活を切り離せると考えがちだが、実際には相互に影響する。まずは自らの疲労や感情を認識し、「今の状況での十分な基準」を再設定することが出発点となる。必要な範囲で透明性を保ちつつ期待値を調整することで、信頼と主導権を維持できる。

2. 回復と再生を意図的に行う

レジリエンスとは素早く立ち直ることではなく、前進を続けるためのエネルギーを補充することだ。小さな回復習慣(内省、休息、家族との時間など)を持ち、仕事では優先順位を明確にして委任を進める。「加速」ではなく「維持」を成功の定義とすることで、持続可能な働き方を体現できる。

3. 影響を拡大する形で支援を求める

支援を求めることは弱さではなく、戦略である。上層部に対しては影響力の大きい業務に集中できる環境整備を求め、部下には明確なオーナーシップを委ねる。これにより自らの負担を軽減するだけでなく、チームの自律性と集団的効力感を高めることができる。

4. レジリエンスをシステムに組み込む

危機は個人の努力の限界を露呈させる。持続的な成果には、明確な意思決定フレームワークや権限分散など、組織設計そのものにレジリエンスを埋め込むことが不可欠である。標準化された進行手順や決定権の明確化は、混乱時でも組織の勢いを維持する土台となる。


結論

成功するリーダーとは、すべてを抱え込む「英雄」ではない。
現実を受け入れ、回復を設計し、支援を結集し、仕組みで支えることで、個人だけでなく組織全体のレジリエンスを高める人である。危機が重なる時こそ、「やりすぎる」ことから脱し、持続可能な前進を選択するリーダーシップが求められる。

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