HBR Article:チームマネジメント「チームの成果を本当に高める職場環境のつくり方」

 ナレッジワーカー6000人超を対象とした調査では、高業績チームに共通する職場環境として「中断されずに集中できる静かな場所」が際立った。重要なのは、出社・リモート・ハイブリッドといった働く場所ではなく、議論と個人の深い思考を意図的に使い分けられる働き方である。優れたチームは、協働を増やすだけでなく、各自が集中し、考え、実行する時間を組織的に確保している。

1. 高業績チームに共通するのは「静かな場所」である

調査では、会議室、共有スペース、福利厚生など20種類以上の職場環境を比較した。その中で、高業績チームに一貫して見られたのは、

「誰にも邪魔されず、集中して働ける環境」

であった。高業績チームでは、この環境があると回答した割合が平均的なチームより大きく上回った。

2. 協働には「一人で考える時間」も必要である

効果的なチームワークは、常に話し合うことではない。

チームには、

  • アイデアを議論する時間
  • 意思決定する時間
  • 一人で深く考える時間
  • 決定事項を実行する時間

の両方が必要である。特に複雑な分析、文章作成、問題解決、戦略的思考には、中断されない集中時間が欠かせない。

3. 「どこで働くか」は決定的ではない

調査では、高業績チームは、

  • 完全出社
  • ハイブリッド
  • リモート

のいずれにも同程度に存在していた。つまり、特定の勤務形態そのものが高い成果を生むわけではない。問題は、オフィスなら会話や割り込み、リモートならチャットやオンライン会議によって、集中が絶えず分断されることである。重要なのは「どこで働くか」ではなく「どう働くか」である。

4. 集中時間を意図的に設計する

高業績チームは、集中できる時間を偶然に任せていない。

例えば、

  • 集中タイムを設定する
  • 会議ゼロの日をつくる
  • 即答を求めない時間帯を設ける
  • 通知やメッセージへの対応を抑える

といった運用を行う。小さく始めるなら、週に1~2回、60分程度の集中時間を設けるだけでもよい。重要なのは、集中を「個人の工夫」ではなく「チームの仕組み」にすることである。

5. 中断そのものを減らす

集中時間を確保するだけでなく、不要な確認や問い合わせを減らすことも重要である。

そのために、

  • 定型業務を文書化する
  • タスク管理を可視化する
  • 進捗を自分で確認できるようにする
  • 情報を探しやすくする

といった仕組みを整える。常に誰かへ聞かなければ仕事が進まない状態では、チーム全体の集中力が失われる。

6. タスクに応じて最適な環境を選ぶ

すべての仕事に同じ環境が適しているわけではない。

例えば、

  • 執筆
  • 複雑な分析
  • 戦略思考

には静かな環境が向いている。

一方、

  • 意見の統合
  • 優先順位の調整
  • 意思決定
  • 問題解決の擦り合わせ

には対話が有効である。働く場所を一律に決めるより、業務の性質に応じて選択できるようにすることが合理的である。

結論

高業績チームを生み出すのは、豪華なオフィスでも、特定の勤務形態でもない。重要なのは、

  • 集中作業を協働の一部と捉える
  • 中断されない時間を確保する
  • 不要なやり取りを減らす
  • タスクに応じて環境を使い分ける

ことである。優れたチームワークとは、常につながっていることではない。各自が深く考えたうえで、その思考を持ち寄り、チームとして成果へつなげられる状態をつくることである。

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