HBR Article:ビジネススキル「自身のコアバリューを持つリーダーは、優れた意思決定を行う」

 現代の経営環境は、AI・地政学リスク・社会的圧力などが複雑に絡み合い、リーダーは明確な正解のない意思決定に直面している。こうした「プレーブックのない時代」において最も強力な指針となるのが、リーダー自身のコアバリュー(譲れない価値観)である。

コアバリューは、変革期の最強の武器である。指針が不明確な時代ほど価値観が意思決定の質を高める。信頼・一貫性・長期的成果を生むリーダーは価値観を軸に行動している。コアバリューは単語ではなく、具体的な行動原則として定義する必要がある。

1. コアバリューが必要とされる理由

  • 経費削減、社会問題への対応、AIへの適応など、複雑なトレードオフが増加。
  • 多くの意思決定に明確な正解はなく、戦略やデータだけでは導けない領域が増えている。
  • そんな状況で「一貫性」と「信頼」を支えるのが、リーダー自身の価値観。

研究によると、コアバリューに基づくオーセンティック・リーダーシップは
✔ パフォーマンス向上
✔ 信頼構築
✔ 意思決定の質向上
につながる。

2. コアバリューは“単語”ではなく“行動の原理”

よくある「家族」「誠実」「正直」などの単語は抽象的すぎる。代わりに、価値観は行動指向の短いフレーズとして定義するべきとされる。

例:

  • 「家族」 →「大切な人のために常にそこにいる」
  • 「誠実」 →「誰に対しても同じ基準で向き合う」

このレベルまで具体化することで、あらゆる意思決定に適用できる軸になる。

3. コアバリューが生み出すリーダーシップの成果

■ 価値観に基づく意思決定が長期的成功を支える

例:Dick’s Sporting Goods

  • 銃乱射事件後、CEOが「地域社会に貢献する」という個人的価値観から銃販売を制限。
  • 短期的損失のリスク(最大2.5億ドル)を承知で実行。
  • 株価は長期的に大幅上昇し、企業の信頼も向上。

■ 価値観は「決断の仕方(how)」にも現れる

例:Airbnb ブライアン・チェスキー

  • コロナ禍で25%の人員削減を決定。
  • 自身の価値観「共感・正直・透明性」に基づいて丁寧な公開書簡と支援策を準備。
  • 社員との信頼を維持し、ブランドの評価を高めた。

価値観が明確だと、不人気だが必要な決断でも、組織の信頼を損なわない。

4. 自分のコアバリューを見つける6つの問い

以下の質問に答えることで自分の価値観の原型を発見できる。こうした問いから、行動として表現可能な価値観を導き出せる。:

  1. 仕事以外で没頭できる活動は?
  2. これまで最もうまく機能した役割・環境は?
  3. 人があなたに求めてくる助けの種類は?
  4. 自分の弔辞に何と言われたいか?
  5. 仕事や生活でやる気を失う瞬間は?
  6. 過去の不満・怒りの裏側に、何が大切だったのか?

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