従来の「優秀なプレイヤー=良いマネジャー」という前提に基づく昇進は、組織にミスマッチを生んでいる。実際に、マネジャーの4人に1人が役職に後ろ向きであり、その割合は増加傾向にある。
背景には以下がある:
- 選抜基準が「過去の実績」に偏重(79%が重視)
- 職務理解や適性判断の機会不足(事前体験は3割未満)
- 役割の複雑化・負荷増大(約80%が負担増を認識)
その結果:
- 生産性・士気の低下
- 離職リスクの増大
- マネジメント品質への不満(満足度30〜40%台)
2. 本質:マネジャーの「意欲」が成果を左右する
マネジャーの熱意は成果に直結する。
- 高意欲マネジャーは
→ 事業貢献:約4倍
→ 定着意向:2倍以上
→ 期待以上の成果:3倍
つまり、能力以上に「やりたいかどうか」が決定要因である。
3. 解決策①:消極的マネジャーの“事前排除”
登用前にミスマッチを防ぐ仕組みが重要。
具体策
- リアルな職務開示
- 困難さ・負荷・複雑性を事前に提示
- シミュレーション導入
- 評価面談、優先順位付け、調整業務などを体験
- メンタリング
- 現役マネジャーとの対話機会を設ける
- 辞退の制度化
- 不利益なしで選考辞退を可能にする
→ 管理職を「受動的昇進」から「主体的選択」へ転換
4. 解決策②:既存の消極的マネジャーへの対応
まず「消極性の種類」を見極めることが重要。
① 根深い消極性(不適合)
- 役割自体への拒否・無関心
- → 配置転換または退出を検討
② 対処可能な消極性
主な原因:
- 自信不足
- 業務過多による圧倒感
対応策
- 既存スキルの転用で自信回復
- 私生活での対人経験などを活用
- 習慣化による負荷軽減
- タスク管理(2分ルール等)
- 集中時間確保(通知オフ等)
→ 「できない」ではなく「処理できていない」を解消
5. 結論:マネジャー選抜の再設計が組織成果を左右する
- マネジャーの質は組織パフォーマンスに直結
- 現行の選抜プロセスは機能不全
- 必要なのは:
- 適性と意欲を見極める選抜
- 事前体験による納得感ある意思決定
- 着任後の状態別マネジメント
結果として、信頼・エンゲージメント・業績の向上が実現される。
詳細は下記参照。定期購読登録が必要です。
“Stop Promoting the Wrong People into Manager Roles,” HBR.org, February 10, 2026.