本論文は、キャリアでの成功を収めながらも「何かが欠けている」と感じる若手専門職が、ボランティア活動を通じて働く意義や使命感を再発見する事例を紹介し、その実践的な方法と心理的背景を探る内容となっている。
仕事での成功だけでは得られない「意義」や「使命感」は、ボランティアなどの社会貢献活動を通じて満たされる可能性がある。自分にできる範囲の行動から始めることが、結果としてキャリアにも人生にも良い影響をもたらす。
主な内容とポイント
1. 働く意義を求めて：ニック・ロマントのケース
- 成功した金融マンであるニック・ロマントは、仕事や家庭に恵まれながらも満たされない感覚を抱えていた。
- その中で、消防団のボランティアを始めることにより「地域社会への貢献」と「深い使命感」を得る。
- 現在もバンガード社で管理職として働きつつ、週数時間を消防団に割き、人生に充実感を得ている。
2. ボランティア活動が若手専門職にもたらす意義
- 米国では、25～44歳の約3分の1が正式な組織でボランティアを実施。
- 「恩返し」「個人的使命感」「日常業務では得られない充実感」などが主な動機。
- 副次的に心身の健康にも良い影響がある。
3つのアプローチ：ボランティアで意義を得るための方法
① 始める前に諦めない
- 社会課題の大きさに圧倒されず、「自分の影響の輪」に焦点を当てて行動することが重要。
- 例：元エグゼクティブのパトリック・リーは、地域の医療ボランティアから始めて最終的に医療NPOのリーダーに。
② 小さく、今すぐ始める
- 「もっと余裕ができたら」ではなく、「今この場所で」始めるべき。
- 自分の価値観と一致する課題や地域のニーズに合わせて関わることが成功の鍵。
- 自己内省の問いかけ（何に関心があるか、どんな人々を支援したいか）が第一歩。
詳細は下記参照。定期購読登録が必要です。
“Looking for a Sense of Purpose? Volunteer,” HBR.org, March 11, 2025.