HBR Article:人材採用・育成「優秀な社員をつなぎとめるために、企業が回避すべき3つの誘惑」

近年の人材獲得競争の激化により従業員はこれまでにない影響力を持ってきたが、労働市場が落ち着きつつある今、雇用主側に主導権が戻り始めている。このタイミングで一部のリーダーは、働き方の柔軟性やDEI(多様性・公平性・包括性)施策を縮小し始めているが、パワーの誤用は離職率の増加や企業イメージの低下や業績悪化を招く危険がある。リーダーは今こそ信頼とエンゲージメントに基づく持続可能なマネジメントを選ぶべきである。本論文では、リーダーが陥りやすい3つの誘惑とそれに対する適切な代替策が示されている。

主導権を握ったときこそリーダーは短期的な支配欲に流されるのではなく、信頼・自律性・多様性のある職場環境を育む力の使い方を考えるべきである。それこそが、優れた人材を惹きつけ長期的な組織成果を導く真のリーダーシップである。

誘惑1:マイクロマネジメントと過剰な監視

従業員をオフィスに呼び戻し、出社を厳格に管理したり監視ツールを導入する動きが強まっているが、これは従業員のエンゲージメントを損ない、離職につながる。
→ 代替策: 成果に基づく評価制度と自律性を基本とした組織設計に転換する。個人の信頼と責任を尊重する環境を整えることでエンゲージメントと生産性を向上できる。

誘惑2:ウェルビーイングの軽視

経済状況を理由にメンタルヘルス支援や柔軟な働き方の取り組みを削減する企業が増えているが、これは従業員のバーンアウトを悪化させ業績低下を招く。
→ 代替策: 厳しい時期こそウェルビーイングへの投資が必要。従業員のケアを通じてモチベーションと組織のレジリエンスを高める。

誘惑3:多様性・公平性・包括性(DEI)の後退

景気悪化を理由にDEI推進への取り組みを縮小・停止するリーダーもいるが、これは長期的に企業の魅力を損ね優秀な人材の獲得や顧客信頼を失うリスクがある。DEIは単なる倫理的課題ではなくイノベーションと競争力の源泉である。
→ 代替策: DEIを中核戦略として再定義し全社員が平等に活躍できる文化の構築に注力する。成果に基づいた公平な評価制度や心理的安全性の確保が鍵となる。

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