HBR Article:リーダーシップ「現場マネジャーから次の段階へ進むために必要な3つの変化」

 この論文は、現場マネジャーから「リーダーを率いるリーダー」へ昇進した際の本質的な役割変化とそのために必要な3つの意識転換を解説している。「リーダーを率いるリーダー」になるとは、単なる役職の昇格ではなく自己の価値基準・行動様式・成果の捉え方を根本的に変える転換点である。この変化を受け入れればより広範な影響力と深い充足感を得られる。

現場マネジャーとしての成功経験は、上級職での成功を保証しない。役割が変わると、職務範囲・マインドセット・スキルの根本的な更新が求められる。特に、成果を自分の手で出すのではなく他のリーダーを通じて成果を生み出すことが使命となる。昇進直後は前職の延長として行動してしまいがちだが、それは部下の成長機会を奪い成果や効率の低下を招く危険がある。そこで必要なのが以下の3つの意識転換である。

1. 専門家からコーチへ

  • 自分が最も知識のある存在である必要はなく、マネジャーを独立した意思決定者に育てることが役割。
  • 問題を持ち込まれたら、即答せず、相手の分析や提案を引き出す質問を行う。
  • 不確実性や沈黙に耐え、部下が考える余地をつくる。

2. 実行者から、他者を通じた影響者へ

  • 直接タスクを管理するのではなく、成果が自然に生まれる環境を整備する。
  • 成果は即時に数値化されない場合が多く、戦略的会話・関係構築・コーチングといった「目に見えない価値」を重視する。
  • 成果は時間をかけて二次的・三次的に現れる。

3. 監督から拡張性ある仕組みづくりへ

  • 担当範囲拡大に伴い、情報量が増加するため、優先監視項目を3〜5件に絞る。
  • 報告が必要な条件と自律対応できる条件を明確化。
  • ダッシュボードや定期報告などの非同期システムを活用して効率的に進捗を把握する。

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