この論文は、CEO退任の増加と後任候補の減少という現状を背景に、未来のCEOに求められる資質や組織が取るべき支援策を3人のリーダーシップ専門家の視点からまとめている。
未来のCEO像は、知識やスキルの量よりも学び続ける姿勢、バランス感覚、変化への適応力、そして人間関係を通じたレジリエンスが鍵となる。組織はこれらを支えるために、学習機会の提供、心理的安全性のある文化づくり、異なる視点を歓迎する仕組みを整える必要がある。
1. ジニー・ロメッティ(元IBM CEO)
- スキルよりも態度が重要
- オリンピック選手のように学び続ける姿勢
- AIなど新技術の活用と倫理的管理(透明性・信頼の確保)
- 長期的価値に基づく意思決定
- 人間関係と姿勢でレジリエンスを構築
- 危機前から人に誠実に投資
- ネガティブ反応に引きずられず、小さな進歩を祝う
- 組織の役割
- 学習文化・好奇心の醸成
- メンターやネットワーク構築支援
2. ニティン・ノーリア(元ハーバード・ビジネス・スクール学長)
- バランス感覚の習得が必須
- 問題をトリアージし、優先順位を見極める
- ベイズ的アプローチで状況を随時アップデート
- 行動のタイミング判断
- 待つべき時/動くべき時/現状維持すべき時の見極め
- 組織の役割
- 活発でオープンな議論を促進
- 心理的安全性の確保
- 規格外の意見も歓迎する文化
3. ゲーリー・バーニソン(コーンフェリー CEO)
- かつての「あったらよい」が今や必須スキル
- アジリティ:曖昧な状況でも迅速に行動し軌道修正
- レジリエンス:失敗後に立ち直り、周囲に安心感を与える
- 統合的思考:複雑な要素を結びつけ全体像を描く
- 現代は「永遠の不確実性」の時代
- 大局観と計算されたリスクテイクが不可欠
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“Skills and Habits Aspiring CEOs Need to Build,” HBR.org, June 12, 2025.