HBR Article:ビジネススキル「危機で奮起し、予防を怠る「消防士型上司」との付き合い方」

消防士型上司のもとで消耗せずに働くには、上司の称賛欲求の向きを変え、緊急事態への依存サイクルから脱却することが必要。「火災ゼロ」こそが最大の勝利であるという文化を築くことで、自分とチームのウェルビーイングを守りながら成果を出せる。

消防士型上司とは?

「消防士型上司」とは、危機を好み、称賛を得るために混乱の中で英雄的に振る舞うタイプのリーダー。緊急事態に迅速対応する能力は高いが、その多くは予防可能な問題であり本人の無策が原因となっていることも多い。

そのリーダーシップがもたらす悪影響

消防士型上司のもとで働くと、以下のような弊害が生じる:

  • 慢性的ストレス・疲労(常に緊急モード)
  • 決断疲れ(優先順位の頻繁な変更)
  • エンゲージメントと離職率の悪化
  • 短期対応に偏り、戦略的成長が阻害
  • 部下の貢献が見過ごされ、モチベーションが低下

なぜ称賛され続けるのか?

危機に対応するたびに、上司は「救世主」として経営陣から称賛を受ける。このことで本人の行動が強化され、危機依存の悪循環が生まれる。

対処法:巻き込まれずに成功する3つの戦略

1. 称賛の対象を「予防」に変える

  • 緊急事態を回避した実績を記録・報告し、事前対応の価値を可視化。
  • 上司との会話や会議で「インシデントのない日」など予防的成果を強調。

2. 冷静に境界線を引く

  • あらゆる「緊急事態」に即反応せず、状況確認・分析を優先。
  • 冷静さと論理的思考で、過剰な反応に巻き込まれない。
  • 境界線を設け、必要な場合は交渉も辞さない。

3. スピード志向を戦略に転換する

  • 「迅速な反応」ではなく、「迅速な予防的成果」として提示。
  • 改善活動を小さな成果に分解し、可視化・定量化。
  • 「火を消す」ではなく「火を起こさない」ことの価値を上司に理解させる。

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