この論文は、部下の問題を過剰に肩代わりして燃え尽き寸前になるリーダーが陥りやすい悪循環を描き、その打開策として部下の自律性と解決力を引き出す「5つの問い」を提示している。
リーダーに必要なのは「すべてを抱え込むこと」ではなく、問いを通じて部下をエンパワーすること。これにより、リーダーは共感を持ち続け、部下は自律的に成果を追求できるようになる。
- 課題背景
多くのリーダーは部下を助けたい気持ちから問題を引き受けがちだが、それはメンバーの当事者意識を奪い、リーダー自身を疲弊させる。結果として意思決定が滞り、成果や関係性も悪化する。 - 解決の方向性
思いやりを捨てるのではなく、コーチング的な問いかけを通じて部下に考えさせ、主体的な解決を促すことが重要。 - 5つの問い
- 「あなたはどのようなことを試しましたか」
→ 自分で考え行動する姿勢を促す。 - 「この問題に対処する妨げになっている要因や人物は」
→ 真因を特定し、必要な障害除去を支援する。 - 「あなたはどのようなサポートを必要としていますか」
→ サポートの選択肢を広げ、リーダー以外の資源活用を促す。 - 「もしあなたが私の立場なら、どうしますか」
→ メンバーに意思決定の知的負担を担わせ、解決力を育む。 - 「私が知っておくべきことは他にありませんか」
→ 情報共有のルートを確保しつつ、解決は部下に委ねる。
- 「あなたはどのようなことを試しましたか」
- 効果
これらの問いを継続することで、部下は自律的に問題解決に取り組むようになり、リーダーは余力を確保できる。結果としてチームの成果・エンゲージメントが高まり、双方にとって好循環が生まれる。
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“Stop Solving Your Team’s Problems for Them,” HBR.org, July 14, 2025.