HBR Article:人材採用・育成「部下の成長は「器」と「能力」の両面で考えよ」

 成長とは「器」と「能力」の両面がかけ合わさって初めて成立する。部下の変化を諦めず、適切な問いかけと環境づくりを行うことが強い組織を生み出す原動力となる。

問題提起
多くのリーダーは「部下の成長支援」に悩むが、その原因は成長を「能力(スキルや知識)」だけで捉えてきたことにある。人は「能力」と「器(人間性・度量・視野)」の両輪が揃って初めて真の成長に至る。

成長の2側面

  • 能力:知識や専門スキル、業務遂行力。水平方向に広がり積み重なっていく成長(フィッシャー博士のダイナミックスキル理論)。
  • :物事の受け止め方や他者との関わり方といった基盤。認識の枠組みが変化する垂直的な成長(キーガン博士の成人発達理論)。

課題
能力が高くても器が小さいと、他者と協働できず組織に摩擦を生む。逆に器が大きくてもスキル不足では成果が出ない。多くの育成の失敗は、両者を区別せずに一方だけを強化しようとする誤りにある。

リーダーに求められる視点

  1. 部下の「現在地」を見極める(不足しているのはスキルか、器か)。
  2. 器を育てるには内省や多様な視点取得を促す問いかけ、能力を育てるには具体的な練習や経験が有効。
  3. 成長には「挑戦」と「安全」の両立が必要。失敗を責めず挑戦そのものを評価する環境が重要。

実践のカギ

  • リフレクション(内省):経験を振り返り、意味を学び取る。
  • 視点取得能力:異なる立場で物事を捉える力を養う。
  • リーダー自身の成長:部下に問いを投げかけつつ、自分も学び続ける姿勢が組織全体の成長を支える。

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