HBR Article:チームマネジメント「優れたリーダーはマイクロマネジメントせずに業務進捗把握する」

 優れたリーダーは、チームの進捗を「偶然」ではなく「意図的な設計」によって可視化している。本稿では、過干渉にならずに状況を把握するための実践的フレームワークとして「可視化グリッド(Visibility Grid)」を提示している。

有能なリーダーは、「全体の可視性」と「チームの自律性」を両立させる。その鍵は、可視化グリッドを活用した意図的な設計にある。情報把握をシステムとして組み込み、過干渉に陥らず信頼を基盤にしたマネジメントを実現することが持続的な成果につながる。

1. マイクロマネジメントの落とし穴

リーダーはチームの進捗、遅延、リソース配分などを把握する必要があるが、

  • 関与が浅すぎると問題を見逃し、
  • 深すぎるとメンバーの自律性を奪い、支配的に見える。
    そのため、バランスの取れた情報取得設計が重要である。

2. 可視化グリッドの基本構造

チームの業務を以下の2軸で分類する:

  1. 必要とする詳細度(High / Low)
  2. コミュニケーション頻度(High / Low)

この2軸でプロジェクトをマッピングし、関与レベルを調整する。

3. 4つのタイプ別アプローチ

区分特徴マネジメント手法
① 詳細度高 × 頻度高失敗が重大な高リスク案件日次レポートやリアルタイム報告、週次MTG新製品ローンチ
② 詳細度高 × 頻度低長期的・複雑だが進行は緩やか四半期レビューや節目ごとの確認ブランド再構築
③ 詳細度低 × 頻度高小規模・短期で進行が早い短時間の定例チェックインSNSキャンペーン
④ 詳細度低 × 頻度低自律的・安定運用問題発生時のみ報告定常業務(SKU発注など)

4. 情報共有の明確な設計

  • 「何を」「いつ」「どの形式で」報告すべきかを具体的に定義する。
     例:「毎月5日までにダッシュボードを更新」
  • 「なぜその情報が必要か」を説明し、チームの納得と信頼を得る。
  • 成熟度や経験に応じて、個々のメンバーへの関与度も調整する。

5. 継続的な調整の重要性

  • プロジェクトの進行に伴い、関与の度合いは変化する。
     例:初期は「詳細度高 × 頻度高」でも、安定すれば「低 × 低」に移行。
  • 定期的な見直しにより、チームの自律性と成果の両立を実現する。

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