「情熱を持って仕事をすること」は美徳として広く語られてきたが、現実には情熱を手放すことに苦悩する人も多い。本稿は情熱を諦める際に生じる心理的葛藤や周囲の評価に関する研究を紹介し、より健全なキャリアの向き合い方を提示している。
- 情熱を諦めることの難しさ
- 社会的通念は「情熱を追求し続けるべき」と強調するため、辞めることは弱さや失敗と結びつけられがち。
- 実際に離れる人々は、他者から「無能・不道徳」と見なされるのではと恐れる。
- 研究の知見
- 本人は他者の評価を過大にネガティブに想像している一方、観察者は「新しい挑戦への勇敢な一歩」と好意的に捉える傾向が強い。
- この誤解が、声を上げる意欲や行動意図を抑制する要因になっている。
- 情熱を諦めても周囲は予想以上に肯定的に評価することを伝えると、人々は次の行動(転職準備など)に積極的になった。
- 結論と提言
- キャリアは固定された目的地ではなく「進化する旅」であり、情熱を諦めることは終わりではなく「途中の停車駅」。
- 人生の状況や価値観の変化に応じて方向転換は自然なプロセスであり、弱さではなく新しい挑戦への一歩。
- 大切なのは「自分が本当に望んで続けているのか、それとも他者の目を恐れて留まっているのか」を自問すること。
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“Research: When It’s Time to Leave a Career You’re Passionate About,” HBR.org, July 07, 2025.