HBR Article:意思決定「戦略の空回りを止める4つの処方箋」

 戦略が現場で失速する最大の要因は、経営陣直下の準リーダーシップチーム(ELT)が受け身のままであることにある。CレベルとELTの間の認識ギャップを解消しELTを戦略の共同推進者として組み込むことで組織の実行力と適応力は大きく高まる。本稿はそのための4つの実践アプローチを提示している。


サマリー

多くの企業では説得力のある戦略が示されても現場で実行されない。その原因は経営陣でも現場でもなく、Cレベル直下の「準リーダーシップチーム(ELT)」にある。彼らは日々の意思決定を担う重要層でありながら、戦略策定には関与せず受け身となることが多い。調査では、戦略の優先事項を理解している割合はCレベル51%に対し、ELTは22%に留まり、階層間の断絶が明確である。
このギャップを埋めるには、ELTを戦略システムの中核として組み込むことが必要であり、以下の4つのアプローチが有効である。

1. 戦略の共同策定

戦略はELTを早期段階から関与させるほど実行可能性が高まる。
市場や顧客に最も近いELTが前提条件やトレードオフを議論することで、戦略の現実性とレジリエンスが強化される。

2. 戦略的判断力の醸成

ELTは実行力には優れるが、長期視点や不確実性下の意思決定経験が不足しがちである。シナリオ検討や横断プロジェクト、意思決定の振り返りなどを通じて短期成果と長期ポジショニングを結びつける戦略的思考を育成する。

3. 整合性の取れたカスケードダウン

戦略とKPI・評価・インセンティブが一致していないと行動は変わらない。譲れない全社方針を明確化し、ELTに裁量を与えつつ評価制度や報酬を戦略に連動させることで、意思決定の一貫性と実行速度が向上する。

4. 「結合組織」の強化

ELTは部門ごとの連合体になりやすく全社最適の視点が不足する。横断的課題の持ち回り責任(スチュワードシップ)や共同成果の評価を通じて連携を促すことで組織全体の推進力と適応性が高まる。


まとめ

ELTは戦略の実行を左右する最も重要な層である。
経営陣とELTが共同で戦略を策定し、判断力を高め、制度を整合させ、横断連携を強化することで、戦略はトップダウンの指示ではなく組織全体で実行・推進される共同の取り組みへと進化する。

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