営業活動が企業戦略と乖離していれば、企業の成長を阻害する。特に「誰に・何を・どう売るか」が明確でない場合、営業は非効率になり収益性も低下する。営業体験は顧客体験の一部であり戦略の実行そのものである。
本稿では、営業部門が戦略と整合し、すべての営業活動が企業の目標達成に貢献するために営業に伝えるべき3つの重要ポイントを提示している。
1. 「期待しないビジネス」を明確にする
- 営業担当者が適さない顧客に時間を費やすのは、リーダーシップと戦略の問題。
- 営業にとっての「理想的な顧客像(業種・規模・意思決定者のレベルなど)」を具体的に定義し共有する必要がある。
- 誤ったターゲティング(例:購買権限のない相手への営業)は典型的な戦略ミス。
2. 自社の競争優位性を明示する
- 営業チームが「なぜ顧客は自社を選ぶべきか」を理解していないと、単なる機能説明に終始してしまう。
- 製品やサービスの表面的な特徴でなく、本質的な価値(例:スペース効率で収益が上がる等)を理解・伝達できるようにする。
- 自社が最も注力しているソリューションに焦点を当て、それに合った営業活動を促す。
3. 営業体験は顧客体験である
- 営業活動はカスタマージャーニーの「最初の1マイル」であり、ここで顧客の印象が決まる。
- 見込み客が顧客になるか否かの25%以上は営業体験に左右される。
- 製品やサービスが似通う中で、営業体験そのものが重要な差別化要因となる。
4. 結論
すべてのセールスコールが戦略実行の機会である。営業部門が企業の市場戦略・収益モデル・顧客体験戦略を明確に理解することで以下が実現される:
- 適切な顧客へのリーチ
- 高収益な案件の獲得
- 市場シェアの確保
戦略の形骸化を防ぐには、営業担当者が「自分に何が期待されているか」を具体的に理解していることが不可欠である。
詳細は下記参照。定期購読登録が必要です。
“Winning the Right Customers Isn’t Just a Sales Issue,” HBR.org, May 05, 2025.