HBR Article:リーダーシップ「これからのリーダーに求められる「経験知性」」

 これからのリーダーに求められるのは、人の行動を管理することではなく、「愛される体験」を設計する力=経験知性(Experience Intelligence)である。
インセンティブや圧力よりも、「心から愛せる体験」が、従業員の自発性・忠誠心・成果を最も強く引き出す。

1. 優れたリーダーの本質:ジョシュ・ダマロの事例

ディズニーの新CEOジョシュ・ダマロは、権威やカリスマではなく、

  • 従業員から自然に慕われる
  • 顧客から愛される
  • 組織に誇りと一体感を生む

という特徴を持つ。

重要なのは、人を動かしているのは命令ではなく「感情」と「体験」である点。

従業員は

  • 見られている
  • 信頼されている
  • 自分の仕事に誇りがある

と感じることで、自発的に動いている。

2. 「経験知性」とは何か

経験知性とは、

人の経験を読み取り、設計し、感情を生み出す能力

である。

● 核となる2つのインサイト

① 従来のマネジメントの限界

  • 目標・評価・報酬・プレッシャー
    → 命令型で短期的効果にとどまる

② 行動を決めるのは「感情」、特に「愛」

  • 「好き」「満足」では不十分
  • 「愛している(Love)」だけが次の行動を予測する

結論:
強い成果を生むには、強いポジティブ体験=愛される体験が必要

3. 実践例(企業)

経験知性はすでに複数企業で成果を出している。

● クローガー

  • 従業員を「経験メーカー」と定義
  • 「好き→愛」への転換を推進
    → 定着率・売上・顧客体験が向上

● チックフィレイ

  • 接客を「取引」から「体験」に転換
  • 店舗全体で愛される体験を設計

● PG&E(電力会社)

  • 「愛をもってリードする」改革
  • 顧客との関係再構築
    → 信頼回復

4. 従来型リーダーシップとの違い

従来型経験知性型
管理・統制体験設計
プレッシャー感情喚起
取引関係愛着関係
短期成果長期的忠誠・成長

データが示す事実

  • 圧力 → 短期服従・長期離脱
  • 恐怖 → 思考の縮小
  • 取引 → レジリエンス低下

一方で 愛(深い関与)は学習・忠誠・回復力を高める

5. ディズニーの象徴的な意思決定

ダマロのCEO就任は単なる人事ではなく、

「愛される体験を設計できるリーダーを選ぶ」という組織の意思

を意味する。

6. 実務レベルの示唆(重要)

象徴的な例:

アトラクション改善の議論

  • 現状:「楽しい」だが「愛されていない」
  • 原因:一部の人しか主体的に関われない
  • 改善:全員が物語の当事者になる設計へ

ポイント
「良い体験」ではなく「愛される体験」に引き上げる設計思考

まとめ

  • 人は論理ではなく「感情」で動く
  • その中でも最も強いのは「愛」
  • リーダーの役割は
    愛される体験を意図的に設計すること

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